原状回復費用が高すぎる|納得がいかない場合にするべきこととは
住んでいた建物を退去する際、原状回復費用が高すぎると感じた場合にはどうすればよいのでしょうか。
このような場合、知識が不足していると言われるがまま高い費用を支払い、泣き寝入りになってしまい損をする結果になりかねません。
そのため、請求されている費用が本当に妥当なものなのかについて適切な知識をもって判断し、交渉や相談を行っていくことが重要といえます。
この記事では原状回復費用が高すぎて納得がいかない場合にするべきことについて、詳しく解説していきます。
原状回復費用とは
原状回復費用とは、退去時に支払うことになる、汚れや傷などを除去し建物を居住する前の状態に戻すために必要なお金のことをいいます。
この費用は、基本的には入居時に支払った敷金から支出されることになります。
この際敷金に余剰が出れば残額が返還され、逆に不足した際にはその額を追加で支払うこととなります。
この際、経年劣化によるものなど、通常の使用に伴って発生する費用については入居者が負担しなくてよいものとされています。
逆に、入居者側の故意または過失によって発生した費用は、入居者の負担となります。
例えば、家具を動かす際につけてしまった床や壁などの傷や、ペットやたばこを原因とする汚れなどがこれにあたります。
原状回復費用が高すぎる場合の対処法
では、実際に原状回復費用が高すぎると思った場合、どのような対処ができるのでしょうか。
①契約内容を確認する
まずは、契約内容を確認することが考えられます。
この際、原状回復費用の負担についての特約の有無について注目します。
場合によっては、入居者の故意過失によらない傷・汚れや経年劣化による損耗も、入居者負担とする契約となっていることがあります。
上記の場合、原則に先行して契約内容が適用されるため、通常では負担しなくてもよいはずの費用を負担しなければならないことがあります。
したがって、まずこのような規定の有無を確認し、費用の額がこれに対応しているか確認することが必要になります。
②保険の適用が受けられるかについて確認する
次に、保険の適用を受けられるか確認することが考えられます。
たとえば、加入している火災保険には、ほとんどの場合借家人賠償責任保険もついています。
このような場合には、借家人が賠償する必要のあるお金である原状回復費用について、保険金が下りることがあります。
その際には保険金から補填することで、実質的に原状回復費用の支払を免れることができます。
③第三者機関に相談をする
また、第三者に相談することで解決を図るのが有効である場合も多いです。
相談先としては、まず国民生活センター・消費生活センターが考えられます。
国民生活センターや消費生活センターには、敷金や原状回復費用など、住居に関するトラブルを相談することができます。
また、これらの施設は電話対応も行っているため、スピーディーに相談を行うことができます。
④弁護士等の専門家に相談をする
また、請求されている費用が依頼の費用を大きく上回るような場合には、弁護士などのプロフェッショナルに相談することもお勧めできます。
退去費用が本当に妥当なものであるかどうかがわかるほか、交渉や訴訟についても代理してもらうことが可能です。
トラブルを未然に防ぐ方法
このような原状回復費用に関するトラブルを未然に防ぐために、あらかじめできることは何かあるでしょうか。
①入居前に注意すべきこと
まずは、敷金がない物件に居住する際には注意を払うことです。
原状回復費用は敷金から差し引かれるため、敷金を支払っていない場合には退去費用が高くなってしまいます。
また、そのような物件では退去時に多くお金を取られるような契約内容になっている可能性もあるため、入居の際に契約書をよく見ておくことが大切になります。
②入居後に注意すべきこと
また、汚れを故意・過失として指摘されないよう、日ごろから自宅の手入れをしておくことも重要です。
水場や台所については特に費用を請求されやすいため、注意が必要です。
原状回復に関するトラブルについては、契約内容が関係したり、費用が自己の負担すべきものであるか否か判断がつきづらかったりするため、弁護士への相談をお勧めしています。
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倉田 勲Isao Kurata
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- 千葉県弁護士会
- 経歴
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- 2012年 明治大学法学部卒業
- 2014年 中央大学法科大学院修了
- 2018年 弁護士登録、千葉第一法律事務所入所
事務所概要
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