契約不適合責任とは?期間や免責などわかりやすく解説
不動産取引を扱っていく中で重要となるものの一つに、契約不適合責任があります。
契約不適合責任とは、民法562条以下に規定があり、不動産の買主に認められた権利です。
また、不動産の売買だけではなく、不動産の加工等に伴う請負契約にも準用がされています。
当記事では、契約不適合責任の追及内容や権利行使できるまでの期間、免責規定について詳しく解説をしていきます。
契約不適合責任について
不動産取引に限らず、売買契約において目的物の引き渡しを伴う取引においては、当該目的物に問題が生じているといったことが起こりえます。
そして生じている問題が残っている状態では、契約の目的を達成することができない場合に、売主に対して請求することができる権利が契約不適合責任です。
目的物に生じている問題のことを瑕疵といい、民法562条では瑕疵の内容として種類、品質、数量を挙げています。
上記の瑕疵が生じている場合には、買主としては、さまざまな権利を行使することが可能となっており、それぞれご紹介していきます。
①追完・修補請求
追完と修補については民法562条に規定されています。
追完とは不足している分の引き渡しを請求することができるものとなっていますが、不動産において不足分とは面積のことを指す場合が多く、不足している面積分の土地を請求するということは困難であるため、行使する場面はあまり想定されていないと考えられます。
修補については、文字どおり生じている瑕疵を売主に修正させることができる権利のことを指します。
例えば、引き渡しを受けた土地に土壌汚染があったり、建物の耐震構造に問題があったような場合などに、これらの瑕疵を修正させるという場面が想定されます。
②代金減額請求
代金減額請求は民法563条に規定されています。
契約不適合があった際に追完請求をしても、期間内に追完がされない場合には、その不適合に応じて代金の減額を請求することができるというものです。
不動産取引においては、面積不足分の追完は困難であることを上記で説明しましたが、このような場合には同条2項1号により追完が不可能であると扱われ、追完の催告をすることなく、不足している面積の地価に応じた価格の減額を請求することが考えられます。
③損害賠償請求・解除
民法564条は562条・563条の権利を行使しても、損害賠償請求と契約の解除の行使を妨げないと規定しています。
例えば、引き渡しを受けた不動産に瑕疵があり、それを修補してもらったとしても、修補している期間については不動産を利用することができなくなります。
このような場合には買主が不利益を被ることとなるため、損害賠償請求をすることが可能となります。
追完・修補・代金減額を請求した場合であっても、解除権を行使することが可能です。
基本的に瑕疵が修正された場合であれば、契約を解除するということは考えられませんが、どうしても売主の対応に納得がいかないような場合には、契約を解除するということも視野に入れることとなります。
期間の制限と免責
契約不適合責任の行使には、引き渡しを受けてから1年以内に瑕疵があったことの通知をしなければならないという期間制限が設けられています。
その理由としては、いつまでも権利行使を認めてしまうと売主にとって不利な結果となってしまう可能性があるからです。
もっとも数量に関する不適合に関しては期間制限が設けられていません。
また、契約不適合責任については特約について免責をすることが可能です。
仮に、売主に対して責任追及をする場合であっても、契約書に責任免除規定がある場合には、請求することができないため、注意が必要となります。
不動産トラブルは弁護士 倉田 勲(千葉第一法律事務所)にご相談ください
契約不適合責任は、契約書内において特約により免除されている可能性があるため、契約書の精査は非常に重要となります。
弁護士 倉田 勲(千葉第一法律事務所)は、契約不適合責任をはじめとする契約書レビューや売買、賃貸借などの不動産取引に関するトラブルも専門的に取り扱っておりますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。
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- 2012年 明治大学法学部卒業
- 2014年 中央大学法科大学院修了
- 2018年 弁護士登録、千葉第一法律事務所入所
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