労働問題の種類

労働問題は、働いている労働者であれば誰もが直面しうる非常に身近な問題です。さまざまな種類がありますが、大きく分けると労働問題は次のように分類できます。

・職場環境に関する問題
・金銭をめぐる問題
・労働条件に関する問題
・雇用契約上の地位をめぐる問題

■職場環境に関する問題
職場環境に関する問題としては、パワハラ・セクハラ、職場内のいじめ・嫌がらせなどがあります。

●パワハラ・セクハラなどのハラスメント問題
近年、職場のハラスメントが社会問題化しており、ハラスメントに関する相談件数は年々、増加しています。企業には、十分なハラスメント防止対策を講じることが求められています。例えば、事業者に対して職場におけるパワーハラスメント（パワハラ）防止対策の義務化を内容とする労働施策総合推進法の改正が行われており、大企業は2020年（令和2年）6月1日から、中小企業は2022年（令和4年）4月1日から適用開始されます。また男女雇用機会均等法や育児・介護休業法なども一部改正され、事業者に対してハラスメント防止に向けた必要な措置の義務化、ハラスメントに関する相談等を理由とした不利益な取り扱いの禁止、国・事業者及び労働者の責務の明確化など、ハラスメント防止対策の強化が図られています。

●職場内のいじめ・嫌がらせ
職場内のいじめや嫌がらせは、退職勧奨や退職強要の手段として用いられることが多く、職場内のいじめ・嫌がらせが続くと精神的なストレスによる頭痛、不眠、吐き気、下痢などの症状が出たり、症状が重くなるとうつ病のリスクがあります。ハラスメントの問題として取り扱われることもあり、事業主に対して対策の強化が求められています。

■金銭をめぐる問題
金銭をめぐる問題としては賃金・残業代未払いや退職金未払いなどがあります。その中でも特に多いのが残業代未払いの問題で、サービス残業の常態化、みなし残業制の悪用のほか、会社側が労働時間や残業代の計算を誤解しているケース（最低賃金法違反や、休日労働・深夜労働等による割増賃金の不払い）などもあります。

■労働条件に関する問題
労働条件に関する問題としては、長時間労働や有給休暇の取得拒否など、賃金以外の労働条件をめぐる問題があります。近年の働き方改革関連法案の成立により、制度面での改善が進められつつありますが、相談件数はまだまだ多いのが現状です。労働条件をめぐる問題としては他にも、転勤や育児休暇・介護休暇の取得、フレックスタイム制をはじめとした新制度に関するトラブルがあります。長時間労働等が常態化すると、過労死や過労による精神疾患等の健康問題に発展するリスクがあり、事業者には早急な対策が求められます。

■雇用契約上の地位をめぐる問題
雇用契約上の地位をめぐる問題としては、不当解雇や退職勧奨、派遣契約の更新拒絶（雇い止め）などがあります。日本の労働法は解雇等に厳格な規制を設けており、これらの行為は労働基準法に違反する可能性が高いと考えられます。そのほか、採用や採用内定取り消しをめぐるトラブルなど、問題になりやすい事案が数多くあります。

弁護士倉田勲(千葉第一法律事務所所属)は、千葉市、市川市、船橋市、習志野市を中心に、千葉県、東京都、神奈川県の労働問題に関するご相談を承ります。
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