債権回収の方法
債権回収の方法としては一般的に次のものがあります。
(1)交渉による債権回収
(2)支払督促による債権回収
(3)民事調停・訴え提起前の和解による債権回収
(4)訴訟による債権回収
■(1)交渉による債権回収
債権回収の方法には大きく「裁判所を利用する方法」と「裁判所を利用しない方法」があり、前者の「裁判所を利用する方法」には後述する(2)~(4)があります。「裁判所を利用する方法」は費用や労力の面で負担が大きいため、まずは「裁判所を利用しない方法」である(1)「交渉による債権回収」を行います。
交渉による方法では、相手方に電話・面談を行って催促し、金銭の支払いに応じなければ内容証明郵便を送付します。これらの催促・督促は債権者名義で行うこともありますが、弁護士名義で行うことで訴訟などの法的手段も辞さない姿勢を見せつけ、相手方に大きなプレッシャーを与えることができます。
交渉によって債務者が支払いの意思を示した場合でも、一括での支払いが困難なケースが多く、分割払いを提案してくることがあります。相手方の提案が許容できる内容であれば、和解契約を締結しましょう。その際、和解契約の内容を守らない場合(債務不履行の場合)に備えて、和解契約書は「執行認諾約款」(あるいは「執行認諾文言」)のある公正証書で作成するようにしましょう。この約款のある公正証書があることで、相手方が約束を守らなかった際にスムーズに強制執行を行うことができます。
■2.支払督促による債権回収
支払督促は、裁判所が債務者に対して金銭の支払いを督促してくれる制度のことです。支払督促は書類審査を行い、問題がなければ行うことができます。費用はそれほど掛かれず、訴訟のように証拠調べや証人調べ等を行わないため、早期解決できます。もっとも、支払督促に対して相手方が異議を申し立てれば通常の訴訟に移行するため、相手方が争う姿勢を見せているケースで利用するメリットは少ないといえます。
■3.民事調停・訴え提起前の和解による債権回収
民事調停は、調停委員の仲介のもと債務者側と話し合いを行う手続きです。
訴訟よりも手続費用が安く、申立手続きも簡便な上、法律的な制約にとらわれず事案の性質に即した柔軟な解決を行うことができます。もっとも、あくまで話し合いであるため、裁判のように結論を強制されることはありません。相手方との合意が成立しなければ(調停不成立の場合)、最終的に訴訟に移行して解決することになります。
また、訴え提起前の和解(即決和解)が行われることがあります。あらかじめ裁判外で成立している示談・和解を裁判所の仲介により、裁判上の和解として成立させ、和解調書を作成してもらいます。和解調書を作成してもらうことで、相手方が和解契約の内容を守らなかったときにスムーズに強制執行手続きを行うことができます。
■4.訴訟による債権回収
以上で紹介した方法で解決できないときは、訴訟を通じて債権を回収します。
訴訟は金銭支払いの勝訴判決(給付判決)を得れば、相手方に対して強制執行を行うことができますが、訴訟費用や時間が掛かるため、出来るだけ訴訟による解決は避けた方がよいでしょう。60万円以下の金銭債権を請求する場合は、訴訟費用が安価な少額訴訟手続きを利用することをおすすめします。
裁判には時間が掛かるため、一般的には仮差押えなどの保全手続きを行います。保全手続きを行っていないと、無資力(回収できる財産がない状態)や財産隠匿などのリスクが生じます。
訴訟は、まず裁判所に訴状を提出し、期日で証拠を提出しながら各自が主張を展開します。裁判所は提出された証拠をもとに審理し、どちらの言い分が正しいかを判断します。審理が十分に尽くされたと裁判所が判断すると、判決を下します。この判決には異議申し立て(上訴)することができ、勝訴判決が確定したら、これをもとに強制執行を行うことができます。
弁護士倉田勲(千葉第一法律事務所所属)は、千葉市、市川市、船橋市、習志野市を中心に、千葉県、東京都、神奈川県の債権回収に関するご相談を承ります。
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倉田 勲Isao Kurata
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- 千葉県弁護士会
- 経歴
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- 2012年 明治大学法学部卒業
- 2014年 中央大学法科大学院修了
- 2018年 弁護士登録、千葉第一法律事務所入所
事務所概要
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